トイシの三要素
研削砥石は、次の三要素からなっている。①砥粒(グレーン):加工物を削る刃物に相当する。
②結合剤(ボンド):刃先を支持するホルダーに相当する。③気孔(ポアー):切り屑を取り除くために必要なすきま。研削砥石が加工物を削っている状態を見ると、次のことがわかる。①砥粒は、常に加工物より硬い。②使用中に、刃先の減った砥粒は、破砕や脱落を起こし、次の新しい刃先が現れ、これを連続して繰り返している。③切り込みが小さいので、加工物の仕上がり状態がきれいである。④刃先が無数にあり、研削速度が速いので、研削が小さいわりに能率が上がる。⑤切削加工と異なり、加工中の熱は大部分加工物に吸収されるので、機械研削では多量の研削油剤を必要とする。
安全上特に重要な事項は、上記②と④であり、つまり、研削砥石が研削を円滑に行えるのは、速度と自生(発刃)作用があるからである。これを逆に安全の面からみると『自生(発刃)とは研削砥石の局部的な破壊である。研削砥石は壊れるから切れる』ということもできる。